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誓いのフィナーレ批判的感想

 

 

今回は響け!ユーフォニアム劇場版4作目となる『響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレ』に関して、原作既読側としての感想をほとぼりが冷めたと判断し書いていきたいと思います。

尚、本記事は『批判的感想』とタイトルを変え、ほぼほぼ改稿しています。『肯定的感想』は別記事で後日上げさせていただきます。

※筆者はサントラに課題曲が入っていたので評価を大幅に上方修正しました。

 

 

 

一回しか見てないので記憶はかなり曖昧です。記憶力には自信、無いんです。あと、表記揺れが激しいので読みにくいかもしれません。悪しからず。 

 

 

 

 

久美子と秀一

劇場版冒頭から久美子と秀一が付き合い始めるシーンが入る。私からすれば「やっとかい!」と思うタイミングでアニメ組にも「何これは…」というタイミングだと思う。しかも劇中で別れるし………。TVシリーズ2期でやっとけば良かったのに…もしくは描写してなかったけど付き合ってました〜髪飾りしてました〜。お前らお得意の考察(笑)しとけよな?みたいなやり方でも良かったのではないかと感じてしまう。

 

 

リズと青い鳥からの落差

──オーディション、落ちちゃいました〜…(剣崎梨々花)

さて、誓いのフィナーレについて話す上で本作の前に公開された『リズと青い鳥』に関して語ることは必要不可欠であろう。元々は原作『響け!ユーフォニアム〜波乱の第二楽章〜』を二部構成で劇場版を作るという話であったと思う。その中で公開された『リズと青い鳥』は北宇治吹奏楽部が演奏する自由曲『リズと青い鳥』からのタイトルであり、内容もその曲の元となった物語と少女の成長を綴ったものになっている。この物語において、黄前久美子は脇役であり主人公はオーボエ奏者の鎧塚みぞれであり、友人であるフルート奏者傘木希美である。彼女たちの関係はTVシリーズ2期の前半を見てほしい。

リズと青い鳥はストーリーのバックグラウンドを知ることを必ずしも必要としない作りになっている。せいぜいが映画を見ていて分かるであろう、みぞれが希美に対して依存に近い友愛の情を持っていることを前提知識として要求するぐらいである。90分を贅沢に使いみぞれと希美の関係、青い鳥とリズの関係性の解釈を通じてどう演奏するか?ということを通じて少女が成長する過程を描いている映画だと思います。

そう言った意味で、本筋のストーリーは進むことがなくある種外伝的立ち位置であると言えるのではないかと思う。

この点から過去二作品及び今作との作りからして違うことがお分かりいただけると思う。そして見ていただければより実感しやすいと思う。

 

 

 

 

結果に対する過程

一方の誓いのフィナーレは90分でやらなければならないことが(リズと青い鳥で多くを語らなかったせいで)多すぎる。そのせいか主に低音パートの中の話で終始してしまう。これでは北宇治吹奏楽部の物語というコンセプトが機能しなくなってしまう。合宿シーンで私が唯一覚えてるのがフラれる秀一である。しかし、合宿シーンではトランペットパートの妥協など描くことによって後々の結果の理由付けを行える重要なシーンがあったように思う。最低限、このシーンを描写した後に関西大会の結果を見ると観客の感じ方、結果の受け止め方も変わったのではないだろうか。

原作を読んでいる時は大会に臨むまでの吹奏楽部を知ることが出来るため、ある意味では納得のダメ金であったのである。関西大会でダメ金を取った理由も劇場版のみだとただ単に北宇治の実力が足りなかったせい、と認識できてしまうのではないか。関西大会金賞の次、全国大会出場に必要な「何か」が欠けていたという描写が欲しかったところである。

 

 

黄前相談所

波乱の第二楽章で重要な役割を果たすのが黄前相談所である、と私は認識していた。しかし、劇場版での出番は後輩である奏からの中川先輩との付き合い方の相談のみ。梨々花ちゃんの相談は『リズと青い鳥』で消化されてしまったため、(部長と副部長の勧めで)久美子に持ち込まれることはなくなりました。そのことによって吉川部長と中川副部長が次期部長候補として久美子の顔を売る描写がなくなり、久美子の部長就任が「主人公」だから。という風に考えられる展開になります。筆者がそう感じただけで、劇中で明確な描写があったかもしれませんが…。

 

 

詰め込みまくった90分

先に書いたように、『リズと青い鳥』ではストーリーが進行しなかったため、『誓いのフィナーレ』では久美子達北宇治吹奏楽部の1年間を90分に濃縮して詰め込む必要がありました。その中でシーンの整合性をとったり、90分の中で矛盾が出ないように作る必要があり難しい舵取りであったのは素人ながら感じるものがあります。

しかし、90分のうちにやるべきドラマ、やりたいドラマが詰め込まれた結果、原作を未読のファンは何が起こったのか把握しきる前に映画が終わった印象になるのではないかと感じます。また、既読のファンからしても、見たいシーンや必要だと思うシーンが削られ、消化不良になったと思います。(個人的見解なので、手放しに称賛するファンも居て良いと思いますが)

ラストに描写される関西大会及び結果発表は本作の締めにふさわしいのか甚だ疑問が残り、後味も悪いものになります。ここをラストにするのなら、原作最後の夏妃が久美子に部長を頼むシーンを入れて、副部長が秀一だと明かされるシーンで終われば次年度への期待感で作品を終わらせられたのではないかと思います。

 

 

ストーリー、キャラクター、目を向けるべきなのは?

長々と書いて来ましたが、結局『響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレ』を見るべきなのか、という点が一番重要だと思います。原作既読の方は見ても見なくても大丈夫ですし、アニメのみを追っている方は一度は見ると良いと思います。鑑賞の際には劇場の音響で『リズと青い鳥』の合奏を聞くことが出来ますし、吉川部長の「香織先輩マジエンジェル!」も聞けます。最低限のストーリーを追うことが出来る一方、どこか物足りなさも感じてしまう映画であるのかなと思いました。

 

 

吉川優子の物語

私が一番物足りなく感じた部分が部長、吉川優子の心の機微でした。昨年の副部長である「田中あすか」という大き過ぎる背中を追い求め、それを知る上級生に自分と比べられても恥ずかしくないように仕事をこなす。それがどれだけの負担になるかは『リズと青い鳥』の夏紀の台詞、そして原作中の合宿で体調を崩したことからも窺い知ることができます。

しかし、本作においてはそういった言及は無く、関西大会後加部ちゃん先輩の心からの賞賛に救われる優子のシーンも有りません。結果発表後、泣き崩れる優子と慰める夏紀のシーンのみです。くどいようですが、本作はテレビシリーズの総集編ではなく、未映像化作品の劇場作品です。尺が……と言われればそれまでですが、色々と勿体ない気がしてなりません。

 

 

 

おわりに

ここまで読んでいただきありがとうございました。今回は私が感じた不満を主に描き殴らさせて頂き、お見苦しい点も多々あるとは思います。……こんなに不満が出るのも公開前の期待からの落差のせいでもあると思いますので、自分勝手な言い分に過ぎないんですけどね。

本作はテレビシリーズが土台としてある「総集編」として見た場合、なるほど久美子の物語に焦点を絞った良い映画だと言えるでしょう。ただ、『波乱の第二楽章』が『リズと青い鳥』と『誓いのフィナーレ』でアニメ化が終わるとしたら些か納得がいかない、というだけです。

 

 

 

それでは、最後となりますがご唱和お願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香織先輩マジエンジェル!!

 

 

 

 

 

 

次の記事は肯定的感想と標榜するとおりに、「ここが良い」「ここを見てほしい!」といったところをまとめていく予定です。それでは、また何かのなく頃に。

 

 

5/26「吉川優子の物語」及び「おわりに」追記。